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【衝撃事件の核心】坂出3人遺棄事件 数多い残る謎

【衝撃事件の核心】坂出3人遺棄事件 数多い残る謎坂出事件・川崎政則容疑者

 香川県坂出市のパート従業員、三浦啓子さん(58)と孫の山下茜ちゃん(5)、彩菜ちゃん(3)の姉妹が遺体で見つかった事件。死体遺棄容疑で逮捕された三浦さんの妹の夫、川崎政則容疑者(61)は犯行時に手袋をして襲ったほか、偽装工作として持ち出した自転車も見つかり、事件の計画的な手口が明らかになった。動機について、「三浦さんと金銭トラブルがあった」と供述しているが、親族間の金銭トラブルが、なぜ幼い姉妹も巻き込む残虐な犯行につながったのか。多くの疑問が残る。

 ■周到な準備

 三浦さんが姉妹を連れて失踪(しっそう)したように思わせるため、川崎容疑者が偽装工作として持ち出した自転車は今月6日、すでに携帯電話が見つかった坂出港の岸壁付近の海中で発見された。

 隠蔽(いんぺい)を図るため、L字型に切り取った大量の血が付いた寝室のカーペットは3人の遺体が埋められた同港の資材置き場に掘られた穴から見つかるなど、事件発覚直後に捜査の撹(かく)乱(らん)を狙った物証は、川崎容疑者の供述に基づき発見された。

 3人を襲ったのは11月16日午前3~4時の間とみられるが、犯行現場の三浦さん宅からは同容疑者の指紋や指紋をふき取った跡が見つかっていなかった。川崎容疑者は坂出署の捜査本部の調べに現場に指紋を残さないため、「手袋をはめて3人を襲った」と供述。さらに、「遺体を殺害直後に埋めた」と供述。捜査本部は、死体遺棄現場に掘られた穴も3つのうち、1つは犯行前に用意していたとみて、計画性の高い犯行として追及している。

 ■1カ月前に計画か

 逮捕直後、川崎容疑者は「(三浦さんの)家には(犯行日に)初めて行った」と供述。接見した弁護士には「(犯行時は)姉妹に騒がれて、頭がパニックになった」と話したが、捜査本部はかなり早い時期から入念に計画した犯行との見方を強めている。

 川崎容疑者は約7年前から同市内のパン製造会社に妻の雅子さん=今年4月に死亡=とともに契約社員として働き始めた。24時間操業の2交代制の勤務シフトの中、川崎容疑者はおおむね午後8~10時から翌午前5~6時まで、パンの箱詰め作業に従事していた。同僚は「まじめ」「おとなしい」と口をそろえ、会社の上司も「勤務態度はまじめで欠勤もなかった」という。

 犯行の1カ月前の10月中旬、「一身上の都合」を理由に会社に退職を申し出た。11月20日まで仕事が入っていたが、16日の事件当日も夜から勤務に就いていたほか、17日も通常通り勤務したが、それ以降は無断で欠勤した。

 事件前には高松市内の短期賃貸マンションへの入居手続きをし、事件直後に坂出市内から引っ越していた。長男には「1人で生きていけ」といい残していたという。
 ■金銭トラブルだけか

 事件の背景とされるのは川崎容疑者と三浦さんとの金銭トラブル。川崎容疑者の親族によると、「義姉(三浦さん)がちょくちょく借金に来て困る。200万円くらいは貸している」などと同容疑者が不満を漏らしていた。妻の死後、川崎容疑者は妻が三浦さんのために借りた借金を背負うことになったという。

 また、知人に「妻が死んだら遺産を受け継ぐのは義姉になる」などと打ち明けていたという。

 調べに対して、川崎容疑者は「金銭トラブルによる恨みがあった。三浦さんを殺そうと思った」と供述。捜査本部も「(川崎容疑者は)金銭に執着する性格」とみている。

 ただ、金銭トラブルについて、姉妹の父、清さん(43)は「まったくない。あるならおれか嫁に言っていた」と強く否定している。

 司法解剖の結果、三浦さんと姉妹は何度も胸を刺されていたことが判明。就寝中で抵抗できない3人を川崎容疑者は明確な殺意を持って殺害したとみられる。

 捜査幹部は「金銭トラブルに起因するえん恨」としながらも、「それだけで幼い子供まで巻き込むのか」と首をひねる。

 ■単独犯か

 川崎容疑者は逮捕直後から一貫して、「1人でやった」と供述している。

 犯行時間帯とみられる午前3~4時に真っ暗な中、周囲に気付かれず、短時間で3人の遺体を運び出し、資材置き場に埋めることができるのか。「はよせんか」と誰かに呼びかける男の声を聞いたという証言もあり、複数犯の可能性は捨てきれない。

 捜査本部は「遺体を遺棄した穴は浅く、1人でも可能」と単独犯との見方を強めるが、「誰かをかばっているのでは」とみる捜査幹部もいる。共犯者の有無については慎重に調べている。

 ■「非常に後悔」

 「私が報道で見聞きしたことを聞くと川崎容疑者は正直に話してくれる。感情的になることもない」

 坂出署で接見した弁護士は川崎容疑者の様子を報道関係者に説明した。さらに「非常に後悔している。申し訳ないことをしてしまった」と話している、と付け加えた。

 捜査本部の調べに対し、川崎容疑者は素直に応じているというが、捜査員は今も供述を全面的に信用しているわけではない。

 捜査本部が任意で事情聴取した11月27日、川崎容疑者は当初容疑を否認したが、車内から血液反応が検出された点を指摘され一転して犯行を認めた。

 3人の遺棄場所についても、逮捕直後は遺棄場所を「山のがけから落とした」と述べたが、「坂出港の資材置き場に埋めた」に変わった。三浦さんの携帯電話と自転車を捨てた場所についても「別々に捨てた」「同じ場所に捨てた」などと何度も変遷。「つかみどころがない」と捜査幹部は打ち明ける。

 今月中旬には殺人容疑で再逮捕される見通しだが、捜査本部は、多くの疑問が残る事件の全容解明を進めている。

2007.12.9 11:36 MSN産経ニュース
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