乙さんの話は終わらないまま2-2aの試合が始まった。
「続きは後で」
乙さんの一言で皆観戦に戻る。
試合開始様に祟君と話す機会があったので呪いの類は使わないように注意しておいた。
案外聞き分けが良かったので試合観戦に集中する…
観戦席の向かい側から大きな声援が上がっていた。
「アカネー!」
「マコトー!」
「ユキナー!」
「ア・オ・イ!」
と、様々な声援だ。
1人声援のない塒さんはと言うと…
「ほらーそこ!ウェーブ乱れてるよ!」
声援を送っている人に指示を出していた。
Aコートの方では何事だ?とBコートを伺う人が多数いる。
ちょうどAコートでは僕達のクラスのもう1つのチーム、1-2aの試合が始まっていた。
こちらでは審判らしき男子生徒が「副会長、その辺で…」と塒さんを試合に戻そうとしていたが塒さんの一睨みでおずおずと引っ込んでしまった。
Aコートの試合開始から遅れる事5分、ようやく試合開始だ。
相手チームにはいつぞやの男子バスケ部員が主将含めて3人いる。
その主将と誠さんのジャンプボールなわけだが、主将さんは無駄に2m近く身長があるので圧倒的に有利に見えた。
誠さんは背丈はあるが、それ程筋肉質なわけでもないため、主将と向き合うと小さく見えてしまう。
にも関わらず、お互いが向き合って審判がボールを掲げると主将が怖気づいたような顔をしていた。
そしてジャンプボール。
何というか、予想通り誠さんの勝ち。
というか、主将さんは「ひいぃ」とか声を上げて手が伸びていなかった。
試合中も観戦席からの応援は続き、相手チーム…3-3bの誰かがボールに触っただけで大ブーイングが起こったりもした。
結果は67:24で2-2aの勝利。
これでBブロックは2-2aチームが勝ち残ったわけだ。
1-2aの試合は無事12:20で負けており、1・2回戦の得失点差を合わせると+35点と随分クラスに貢献してくれた。
それからの数分間、乙さんによる作戦の説明が続けられていた。
まとめると、今回は外からのシュート中心で守りは堅実に…らしい。
そんなバスケ部員でもないのにわかんないよとボヤきたくもなったが、花と楸さんが真面目に聞いていたのでそれっぽく見えるように努力した。
体力的な問題もあるからとそれから10分間の休憩を挟んで準々決勝…Dブロックの決勝が開始される。
2-2aチームの面々は、ここから向かい側の観戦席…先ほどの声援が上がっていた所でくつろいでいる。
勝つにしろ負けるにしろ、これで今日は終わりだなとお気楽思考で階段を降りて行った。
階段で祟君が「呪…じゃなくておまじないするには1日分の精神エネルギーを消費するからどうせ今日はもう使えないんだよ」とにこやかに説明してくれた。
全く興味が持てなかったので、「そうなんだ」とこちらも無駄ににこやかに笑顔で答えておいた。
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