試合開始。
審判の笛で180cmくらいの男子と誠さんがジャンプボールだ。
ほとんど身長差がないので難なく誠さんがボールを取り、葵さんがそれを拾った…と同時に3Pシュートが決まった。
観客から「おおぉー」と声が上がり照れくさそうな葵さん。
その後も終始2-2aチームが攻め続けて10分ハーフの計20分の試合で53対4と圧勝した。
あまり点数差がついてしまったため選手であった塒さんは頭に手を当てて「あちゃー」とか言っていた。
3-4bチームの大型女子のお陰で鈍臭いパワー型チームに見えたのは3-4以外の誰もが突っ込みを入れたとか。
それからBブロックの試合が3試合あったが、どれも高校生らしい(?)試合で多くても14点差の試合ばかりだった。
体育館のもう半面でAブロックの試合がシードの1試合分早く終わってCブロックの試合が開始されていたが全くの無視。そんなのに構ってる暇があったら1試合でも勝てるようにDブロックの試合を見続けた方が良さそうだからだ。 後から聞いた話だと、僕のクラスの1-2aチームの方はAブロック1回戦で同じく1年のどこぞのクラスと当たって6点差で勝ったとかどうとか。
Dブロックの1回戦第3試合は2-2bと1-5aチームで、さすがに雪菜さんのいるクラスなのか先輩の威厳だろうか1-5の女子が逆方向へ3Pシュートを決めたせいだろうか2-2bが14点差で勝利した。
同時にCブロックの第4試合も終了し、1回戦は全て終了。これから昼休みだ。
午後は2,3回戦が行われ各ブロックの1位が決まって今日の日程は終了となる。
昼休みは「大会期間中はどうせ食堂目当ての生徒が多いだろうから逆に食堂の利用は禁止、ついでに売店も」の生徒会からのお達しのせいで皆弁当だ。
教室の自分の席で弁当を開くとあまり人がいない様子。
大抵は一緒に行動している与一と花、その2人についている双子も近くの席に座っている。
学校のジャージは男女に差がないのでこうやってみると双子はやはり見分けがつかない。とりあえず与一に近い方が椿さんだろう。
乙さんは「姉達と会議があるから」と弁当を持って生徒会室へ走り去っていった。
「やっぱ先輩達の試合が1番凄かったね〜」
花が切り出した話題で椿さんと楸さんは盛り上がっている。
与一に限っては黙々とコンビニのおにぎりを頬張っている、バスケの試合には全く興味が沸かなかったらしい。
「でもさ、最後の試合の1-5の女の子面白かったよね〜自分のチームのゴールに3P決めちゃうとは」
「あの子、方向音痴だって噂だから…」
「あはは」
「あの後怒られたりしなかったのかな?」
「結構ドジで男子から人気があるみたいだから大丈夫だよ…多分」
「あはは」
「名前何て言うんだっけ?」
「確か…上尾藍…かな…」
「あはは」
「椿ちゃん、今の何が面白いの?」
「上尾藍…名前から先に読むと『あいうえお』になるからだよ…」
「そうそう、あはは」
話を聞いていると、花が話し始めて楸さんが説明して椿さんが「あはは」を連呼しているだけだな。
与一に限っては寝ちゃってるし。
「じゃ、そろそろ昼休み終わりだし行こうか」
椿さんがそう言ってペットボトルの蓋を閉めた。
「ていうか何でこんなに人少ないわけ?」
疑問に思ったので回りを見回しながら椿さんに聞いてみた。
「あ、うん。多分バスケに関係ない人やaチームの人が試合後早弁してたからだと思うよ」
「そうなんだ。何でそんな事知ってんの?」
「さっき楸が阿江君にアイコンタクトで確認したって言ってたからね」
楸さんを振り返りながら椿さんが言う。
楸さんの方を見ると得意気に両手でピースをしていた。
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