ジャンボチョコパフェって凄いや。
だってさ、透明の丼に敷き詰められてるんだよ、アイスとか生クリームとかが。
カニチャーハンを食べ終えた頃に丁度来たんだけど、半分くらいでもう限界でしたね。
これまたペロリと平らげた雪菜さんが「残すなら頂戴♪」と僕の食べ残しのチョコパフェを美味しそうに頬張っていた。
『甘いものは別腹』とか言う人いるけど、そんな次元じゃないんだってば!
「ふぅ〜満足満足」
本当に満足そうな顔してらっしゃいますね。
僕は見てるだけで吐き気がするんですが。
「じゃ、そろそろ戻ろうか。誰か起きてるかもしれないし」
「え、ああ、そうですね」
腹を休ませるとかしなくて大丈夫なのかな?
「すぐ行くからこれで払っておいて」と千円札を2枚渡される。
「お会計2415円になります」
多少オーバーしてるけど自分の食べた分を考えれば安いもんだ。
携帯で時間を確認してみると7:30。これから6〜7kmも歩くのかと思うと不安になる。
もう日は昇っており、微妙に涼しげな春風に吹かれてると電話をしながら雪菜さんが店から出てきた。
「タクシー呼んだからちょっと待ってましょ」
「タ、タクシーすか…」
今まで2〜3回しか乗った事のないタクシーにまさかファミレス帰りに乗るとは思わなかった。
「だって、この辺にはバスが通ってないんだもの。お金の方は心配しなくていいからね」
「あ、そうですね」
納得のいかない表情だったのだろうか、
「それとも歩いて帰る?」とか言われてはもう、
「タクシーって素晴らしいですね」
としか言えなかった。
そう言い終わった数秒後、タクシーが到着した。
「日高高校まで」
雪菜さんが行き先を告げる。
タクシーの運ちゃんが物凄い訝しげな目を向けて来るわけで、何か言うと言い訳臭そうなのでただ黙って外を見ていた。
右肩に何か重みがかかったのでチラリと見てみると…雪菜さん寝ちゃってます。
あれだけ食った後だしなぁと考えるも、食ってすぐ寝たら太るという話が頭に浮かんだ…けど起こさないでおいた。
高校の正門まで行くつもりだったらしい運ちゃんにここでいいですとマンション前でとめてもらう。
一々起こしてお金請求するのもみっともないので、自分の財布から泣く泣くお金を出す…稲造さんさようなら…
依然寝たままの雪菜さんを背負い、投げず、マンションの階段を上がる。
ていうか、あれだけ食べた人がこんな軽いとは思わなんだ。簡単に持ち上がったし。
部室のドアを開け、中に入ると…何人か起きてるみたいだ。
葵さんが「おかえりなさい」と爽やかな笑顔を向けてくれたので「ただいま戻りました」と疲れた笑顔を返しておいた。
起きてるのは葵さんと楸さんと椿さんだけらしい。
誠さんと茜さんと与一は飲んでる量が半端じゃなかったからな…結構長く起きてたし。花は言うまでもなく爆睡中、1日何時間寝てんだと。
3人とも基本的に落ち着いた性格なので「朝帰りとはやるねぇ〜」とかの冷やかしを言われる事はなかったのが幸いだった。
そうだ、あとで雪菜さんにタクシー代請求しとこう。
珍しく楸さんがキッチンに立ち、簡単な朝食を作り上げたので折角だから少しだけ戴いてから一寝入りすることにした。
とは言っても、まともに寝転がれる場所もなかったわけで、ベランダの前に座椅子を持って行き、うまい事リクライニングを活用してさっきまで着ていた上着を被って寝に入った。
…
人が寝付く寸前にうるさい与一が起きたせいでなかなか寝付けなかったけど、与一が気を失ったらしく静かになったお陰でようやく眠りにつけた。
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雪月花
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