そろそろ体力の限界です。
歩き疲れたわけなんだけど、雪菜さんは平然と歩き続けてるんで必死こいて後ろを歩いてるわけ…あー駄目だ。
「そろそろ戻りません?」
雪菜さんはその呼びかけに腕時計を見て、
「もう、6時か…そうね、戻りましょうか」
普通に散歩するだけならまだしも、話を聞きながら3時間程歩きまわってたもんで足がパンパンだったり…家政夫失格か?
周りを見回してみるも…ここどこだ?
「因みにここどこなんですか?」
「駅から3kmくらい離れてる所だから…マンションまで4kmくらいかな?」
物凄い脱力感…
平然としてる雪菜さんが異常なんだろう、多分。
「あ、直線距離での話だから、実際歩くとなると6〜7kmくらいかもね」
フフッっと得意気に振り返られるも、こちらは愛想笑いする余裕すらありません。

必死の訴え(てる様子に見えたのだろう)が通じて24時間営業のファミレスで休憩させてもらえることになった。
ふぅ〜っと息を吐いて運ばれた水を飲む。
何か平然とメニューを見ている雪菜さんは全く疲れてない様子。
「何でそんなに平気そうなんですか?」
「ん〜、結構体力には自信あるのよ。さすがにお腹は空いたけどね」
あ、そういえばファミレスだっけ。何か食うかな〜とメニューを開く。
無難にカニチャーハンを選ぶことにした、ついでにコーラも。
「裕君決めた?」
「はい」
答えるとほぼ同時に呼び鈴を押してらっしゃいますね。
注文を頼んでから半放心状態で品を待つ。
何かキッチンの方で電子レンジのような「チーン」って音が聞こえたけどまさかカニチャーハンじゃないよな?
雪菜さんはテーブルに備え付けられていた映画のパンフレットみたいなのを見ている。
まあ、暇潰しの王道ですな。
するとウェイターさんがジュージュー音をたてている鉄板を乗せた木製の皿を持ってきた。
朝から重い物食べる人いるんだな〜と呆れていたら…目の前に置かれた。
「あ、これは私のです」と皿を引き寄せる雪菜さん。
ウェイターさんは凄い驚いた表情で「し、失礼しました」とか言ってる。
まあ、見た目のギャップと朝食にしては重すぎる食事内容だから驚いて当然か。
「朝からよくそんなの食べられますね…」
「そう?それなりの運動の後だから丁度良いんじゃないかな?」
何故そこで上目遣い?
程なくして僕の頼んだカニチャーハンが持ってこられる…で、何故それを雪菜さんの方に置くんだ、ウェイターさんよ?
とか考えてるともう一つの皿が僕の前に置かれた…これまたカニチャーハン。
そしてコーラが置かれる。
「ご注文の品は以上でよろしいでしょうか?」
「あ、多分…はい」と納得のいかない返事をしていると「はい、大丈夫です」とにこやかに雪菜さんが答える。
ウェイターさんが去るのと同時に食事開始。
何かでっかいステーキとカニチャーハンを凄まじい速度で平らげる雪菜さん…そんなに腹減ってたの?
僕はコーラをちょびちょび飲みながらカニチャーハンを食べる。
僕が半分くらい食べ終えた頃、雪菜さんは完食していた。
「はやっ!」
「え?」
「いや、食べるの早すぎでしょ」
「そうかしら?まあ、お腹空いてたからね」
「え?ああ、そ、そうですね」
「さてと…デザートは〜」
「まだ食うんですか!?」
「食後にデザートは付き物でしょう。えーと、これにしようかな」
と、呼び鈴を鳴らす。
「このジャンボチョコパフェ下さい」
ウェイターさんが来るとほぼ同時に注文していた。
呆然とその様子を見守る僕の視線をどう勘違いしたのか、
「あ、裕君も食べる?」
そんな物欲し気ですかね?
いきなりのことなので「え、はい」と答えてしまう。
「じゃ、これ2つで」
「か、かしこまりました」
ウェイターさん物凄くひいちゃってるよ。
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