カチャカチャ音を立てながら部室に戻ると与一が反応してきた。
「カチャカチャ音立てて何買ってきたんだ?」
「お前が食い尽くしたレアチーズケーキにつけるはずだったジャムだよ」
「あ、そう」
釈然としねぇ…
後ろから「また作ればいいじゃない」
他人事のように言わないで下さい…
今日は夕飯まで時間が十分にある。
でも、何か作りたい物とかないんだよなぁ…工作の話。
買ってきた物を冷蔵庫とか棚に入れながら何か作れる物ないかなと考えるも思いつかない。
ていうか、誰一人として工作部らしき事をしてないのは錯覚じゃないよな?
まさかスパイ工作部とかいうオチでもないだろうし…
んー
見事に孤立してる感じだ。
雪菜さんと葵さんは相変わらずだし、茜さんと誠さんも相変わらず話しこんでる。
これまた相変わらず椿さんが与一にくっ付いてるし、花と楸さんも談笑中。
何これ?僕本物の家政夫扱い?
1人ベランダ手前で日向ぼっこでもするか、昨日気持ち良さそうだったし。
座椅子を引きずってベランダの方へ向かう。
いやぁ〜春ですねぇ…と思うよりも学ランが日光吸い過ぎて暑い暑い。
学ランだけ脱いでボケーっとしていても誰一人として話しかけてくれない、ちょっと寂しい。
たまの1人の時間だと自分を励まして空と睨めっこ…ああ、いい天気だ。
ぼー
空が青いなぁ…
雲もほとんどないや…
話しかけてくれる人もいない…これは忘れよう。
あ、鳩が飛んでる…いいな、僕も空を飛びたい。
人類初の飛行者ってライト兄弟だったっけ…?凄いよなぁ…
木製の飛行機でも作ってみるか…設計図とか描くのめんどくさいなぁ…
家政夫扱いだとか思ったけど、掃除とか洗濯はしてないな…したくないけど。
料理が仕事って、どこかの宮廷料理人みたいだなぁ…素人だし、名誉もないけど…
そんな事を考えてると結構時間は過ぎてしまっていたようだ。
朝飯抜きだったから何か食べようかなぁ…
んー、クッキーでも焼くか。
まだ夕飯まで2時間近くあるし。
よし!と立ち上がりキッチンへ向かう。
…うわぁ。
ほとんど寝てんじゃん。
雪菜さんだけカウンターでパソコンいじってるけど他の人みんな寝ちゃってるよ。
結構暖かいし、特に布団とか着せなくても大丈夫だよな、あるかは知らないけど。
あ、ジャム買ってたからクッキーじゃなくてスコーンにするか。
無駄に気合いを入れてキッチンへ立つと、
「あら、何か作るの?」
気配断ちをしていたわけでもないので普通に、
「さっきのジャムをつけてスコーンでも食べようかと思いまして」
と答えておいた。
すると真面目な表情で、
「スコーンにキムチジャムが合うかしらね…」
そんな事で本気で悩まないで下さい。
「え、あ、まあ、食べてみればわかるでしょう」
てなわけで、普段と変わらずキッチンへ立つ僕。
「そうね」
何かさり気なく微笑まれたけど何かおかしいこと言ったかな?
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雪月花
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