与一が学食行くからと椿さんもついて行った。
授業中に部活遅れると伝えてあったりする。
別に怪しまれる事をしてるわけではないが、あまり人目につかないよう努力しながら風呂敷を持って体育館へ移動した。
何か都合の良い事に、この学校の下駄箱が校舎と体育館の間あたりにあって、体育館シューズも入れられるよう1人3箇所の靴を置くスペースがある。
とりあえずシューズ、鞄、風呂敷を持って体育館へ移動した。
何か体育の教師みたいなのに変な目で見られたけど生徒には目立ってないって事でスルーだ。
茜さんと誠さんは既についており、3Pシュートの対決らしきものをしていた。
少し遅れて花と楸さんが来たけど2人とも茜さんに呼ばれての事らしい。
茜さんは「あれ?楸の代理か?」と昨日の印象のまま女子制服の方を椿さんだと思ってるらしい、誠さんも同様。
楸さんが優等生っぽい説明をして「お前等面白いな」と茜さんに笑われて赤くなっていた。
何だかしらないけど、女組3人は更衣室に行ってジャージに着替えていた。
僕はその間に何となくだけどシュートのコツみたいなのを教わっていた。
メシいつ食うのかなーとか考えてるといかつい男子バスケ部が5人現れた。
「姉御!今日こそアナタを超える!」と、いつぞやの与一みたいな事を言う角刈りの偉そうな人。多分部長か?
「腹減ったしとっととやろーぜー」とさらりと流してるのが茜さん。
昨日の夕食後に話し合っていたのだろう、花と楸さんは普通に準備運動をしている。
いきなりな事は慣れてたので「えっと、今日はあのオッサン達と試合かなんかするんですか?」と誠さんに聞いた。
「オッサンって…」と苦笑して「何だかよくわからないけど、茜が昔あいつらからいじめられっ子守ったとかで…」
「そのいじめられっ子が誠だろうが」と聞こえていたらしい茜さん。
「アハハ…」ともう笑うしかないんだろうな、気持ちはわかりますよ誠さん。
「何となくわかりました、試合の後に昼食なんですね?」「まあ、そういうことだね」
もう大抵の事には順応できるようになったらしい自分にホレボレしつつも、茜さんの姉御肌ってのは凄い影響力なんだなと実感した。
実際はどうでも良くって早くご飯食べたいってだけなんだけど…
10分ハーフで全面使っての試合だった…
何ていうか、僕必要なかったんじゃない?ってくらい圧勝。
花は試合中に「私中学でバスケ部だったんだよー」とか笑顔で語ってくる割に、普通にボール触ってるし、
楸さんなんか「花ちゃん真面目にやって…」と信じられない程早いパス出してたり…
何か茜さんと誠さんは言うまでもなく…凄い。
遊び半分で僕がうったミドルレンジのシュートも何故か入ったりと相手が可哀相になった。
「お前等それでよくレギュラーやってんなー」と茜さんが呆れたように言い放ち、挫折している男子バスケ部員達を尻目に「んじゃメシ食うか」と体育館にドカリと座り込んだ。
師匠というか、姉御というか、親分って感じだな。
まあ、場所は気にせず僕も腹減ってたので風呂敷をほどいて弁当を出した。
「わりーな、2人分食うってのは嘘でこいつらの分なんだ」と茜さんは花と楸さんを示しながら言うけれど、何か予想範囲内だったので5人して僕の弁当を体育館で食べる事になった。
前日から仕込んでおいた唐揚には自信があったのだが大したコメントももらえず、恨めしそうな男子バスケ部員を尻目にのんびりと食事を済ませた。
部室に着くなり雪菜さんの一言が「どうだったの?」だったので全部知ってんだなーと理解した。
「おう、楽勝楽勝」
茜さんはものすんごい陽気に言ってるけど結構酷いよな…レギュラー潰したんだし。
男子制服を着ている椿さんに抱きつかれもの凄くげんなりしている与一の頭にはフォークが刺さってたりする…多分椿さんを蔑ろにして葵さんに投げられたのだろう。
当の葵さんはお嬢様雰囲気をかもし出しながら雪菜さんとお茶(それも高そうな紅茶)していた。
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雪月花
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