夕食を終え、何故か皿洗いをしている僕と与一。
物凄く気分の悪そうな顔をしながらも姉である葵さんの指示の元、「今日これ以上頭に傷つけられたら死んじまう」と仕方がなく食器洗いをしているのだ。
何だか7:30を回って外は暗くなっているのに一向に帰る気配のない居間の皆さん。
やっと洗い物を終え、居間に行くと「そろそろ帰りましょうか」と雪菜さん。
ようやく解放されるのかーと伸びをする。
大変だったなーと茜さんが僕の頭をポンポン叩く。
その様子を見て「姉御、いつかあなたを越えてみせる!」と何故か張り切っている与一に葵さんが「何のことでしょうか?」と笑顔で尋ねている。
姉の悲鳴の時に卑怯な手を使って遊んでいた与一は「え、えっとー、姉ちゃん、早く帰らない?」と下手な誤魔化しだな。
勿論葵さんから何かが与一に投げられるが、薄暗かったので何かはわからなかった。


やっとのことで家につき、ベッドにゴロンと寝転がる…
「お疲れだねー」と声が聞こえたのでその方向を見てみると花がニコニコをこちらを見ている。
「何でいるんだ?」
「えーと、さっきまで寝てて暇だから」
「…」
「…(ニコ」
「…」
「何か言ってよ!」
「さっさと帰れ!」
「ハーイ」
何だったんだ一体。
明日から授業が始まる。
風呂に入ったり、(ビーフシチューが食えた物じゃなかったので)カップラーメンで腹ごしらえをしたりしてると9時を過ぎていたのでちょっと早いけど寝てしまった。

そう、つまり昨日食材のほとんどを部室に持って行ってしまったので、朝食は食パンのみだ。
育ち盛り(自称…因みに身長165cm)の僕には物足りないが、授業初日なので眠くならずに済むなと自分に言い訳してみた。
フェンスに扉があるが、その鍵は持っていないので約500mの道のりを迂回しての登校だ。
そういえば、パンフに「秘密の通路」とかあったけど、この事だろうな。
知らなければ気付かないくらいうまく背景(といってもフェンス)に溶け込んでいる。
今日は登校時に花に会う事もなく、一人での登校だ。
立地としては文句ないのだが、チワワや迂回しなければならないのはどうしても解せない。
ブツブツ言ってると、駅を使っての登校者の通る通学路と合流するあたりで変な目で見られた。
ハッっと気付いて独り言をやめる。
若気の至りって事で勘弁してもらいたいものだ。
と、電柱にぶつかりかけてギリギリで避けたら後ろからクスクスと笑い声が聞こえた。

教室についてホッっと一息ついてると与一も花も来ていなかったので窓の外をぼんやり見つめていた。
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