「ぅぅぅ・・・・・・ぁぁ・ぁ・・」 「・・・・駄目か」 同僚であり最も親しかった仲間が負傷・後送されてから5日、 相変わらず彼の意識は戻らなかった。 ・・・いや、意識なら戻っているのかもしれない。 戻っている先が少々異なってはいるようだが。 「今夜は出撃の予定が入っている。明後日また来るから元気な顔を見せろよ」 そう一言だけ残して病室を出ようとした時 「き、きき、気をつけろ・・・・く、釘釘がが・・・」 「何?」 慌てて振り向くが、そこには先ほどと変わらず何かに怯え続ける廃人しかいなかった。 私はクレスト所属のMTパイロット。レイヴンに憧れるも現実の壁に勝てなかった人間だ。 落ちたショックで自棄を起こしMTへ転向してしまったが、身につけた知識と技術は無駄とは ならず今では小さい小隊ではあるが隊長なんかも勤めている。 運良くレイヴンになれても自分程度の腕前ではあっさり殺されていただろう。 今はそう考えるようにしている。 クレスト運営の病院から所属している基地へ向けて自家用・・・では無く会社の車を飛ばす。 一般社員と比べて戦闘員は待遇が良く、給料以外でも様々な恩恵が存在している。例えば 無償で治療を受けている僚友や今乗っている車のように。 別に車が買えないほど金が無いわけでは無い。しかし、基地に置いてある同僚の高級車が 新米の操縦するMTに潰されるのを目撃したり、突然始まった市街戦で重役用のリムジンが 落下してきた巨大空薬莢に押しつぶされるのを見てしまったらとてもでは無いが 車なんて買う気がしない。リムジンを破壊した薬莢の出所は私だが。 好みの曲をかけながら基地へ向かって速度違反気味で車を飛ばす。 捕まっても適当な言い訳と身分証を見せてしまえば警察といえども黙り込んでしまうだろう。 クレスト様様・・・とアクセルを全開にしてカーブを曲がり・・・・・・慌てて急ブレーキ。 目の前には大量の警官と救急車の山・・・・・救急車? 警官に事情を確認したところ、この先の高速道路でACが民間車両を襲撃しているとの事。 「現在警備部隊がACを撃退中です。危険ですので迂回してください!」 車のすぐ横を負傷した民間人が運ばれて行く。 救急車は既に負傷者で満員のようだ。顔から血を流して絶叫する者、力なくどこかを眺める者、 既に息絶えてる子供に泣きつく両親・・・・ 溢れ返った怪我人に対して報道者が容赦なくカメラを向けている。 それで食っているとは言え、流石に自制しろという気持ちがこみ上げる。 「レイヴンは金で動く傭兵だ。奴らの善悪は基本的に金で変わる。 依頼主がどのような人間であれ報酬が高ければ飛びつき、平気な顔をしてあらゆる 悪事でもやってのけるのさ。」同僚のレイヴンへの評価はこの一点で一致している。 今回の一件もおそらくはどこかのテロリスト、もしくは組織か企業の依頼によるもの だろう。・・・ひょっとしたらクレストかもしれない。 もう少し早く病院を出ていたら自社の雇ったレイヴンに殺されていたのか? 何とも皮肉のような物を感じながら基地まで何とかたどり着く。予定より遅くなり昼も 過ぎてしまったが先ほどの一件で食欲は沸かない。 「隊長、遅かったですね」 隊の警戒手を勤める部下から半ば咎める様な声に出迎えられる。 好きで遅れたわけでは無いが、夜の出撃に関するミーティングが私の所為で遅れていると なれば一言二言の嫌味は言われても仕方はない。 「野暮な事を聞くな。失礼だぞ。 隊長、コレですよね?」 後衛を務めるベテラン、私よりもMT歴の長い部下が小指を出してニヤリと笑う。 ・・・これでも妻子持ちだ、お前の方がもっと失礼だ。 「今日の出撃、お前は生身で出撃だ」 「オオひどい! うちの隊長は部下殺しだ!!」 オーバーリアクションで嘆いた振りをする。思わず失笑、皆も爆笑。 ベテランだけあってMT操縦はともかく、こういった場の作りも上手い。 入隊当時は随分と彼には面倒を見てもらったものだ、おそらく彼との付き合いは生涯続くのだろう。 MT(マッスルトレーサー)と言っても機種は色々存在している。 ほとんど車両と変わらないものからACとかなり似ているものまで実に多種多様だ。 私の小隊が使用するのはその中でも装甲・攻撃力に特化された機体「スクータム」である。 他にも高機動の「クアドルペッド」や特殊迷彩を持つ「フリューク」などがあったが 当時、一番ACに近いという理由で迷わずコレを志願をした。今では素直な操縦性と威力の高いバズーカ、 ACの攻撃にも耐えうるシールドが自慢の種になっている。 会社上層部からの作戦を伝達、部下と打ち合わせを始める。 内容は管轄区域に居座っている所属不明の武装集団の排除。 問題の区域は地殻変動を理由に放棄された場所で今は完全に無人となっている。 かなり昔ではあるが一度警備の為に入ったがどこも異常は見られなかった。 そして作戦後に部下共々口止めを強要された。 上の連中のやることに口を出す気は無いので何を考えていようがどうでもいいのだが・・・ 目撃情報から武装集団の戦力の推定を行う。 全員一致で装甲車両は4、MTは多くても5程度と判断。 MTと言っても小規模な集団の持つものではたかが知れている。 精々作業用クレーンに毛が生えた程度、スクータム4機の敵では無いだろう。 「撃墜数が一番の奴に晩飯は奢ろう」 何とも使い古された釣り方ではあるが一気に部下の士気が上がる。 何とも簡単な連中だが、その分頼りになる。 ブリーフィングを終え格納庫へ移動。愛機は整備員の手で完璧に仕上がっている。 毎回無茶ができるのも彼らの不眠不休の仕事があってこそのものだ。 市街を堂々と移動するわけにも行かないので現場へは輸送機を使用して移動。 民間施設や車両に万が一傷でも付けたら後日会社のクレームが来てしまう。厄介な話だ。 「これで100回目の空挺降下だーー!」 ベテランの後衛が何やらコックピット内で叫んでいる。騒がしいので3機がかりで輸送機から押して落とす。 もう作戦領域手前なので問題は無い、何か叫びながらベテランのスクータムが落下していく。 孤立させると危険なので順々に滑るように輸送機から飛び出し降下。ここまでは順調だ。 スクータムは重量級故に落下速度が速く、着地制御をしくじると機体にかなりの損傷を負ってしまう。 その為かなり早くからブースターを始動、足場に注意を払いつつ軟着陸を果たす。 他の機体も問題なく着陸に成功したようだ。件のベテランに至っては上手にブースターを吹かしながら 円を描いて回っている。器用な奴だ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 敵がどこにいるのかはっきりしないので隊を2つに分ける。 私と新米、ベテランと一人だ。 本来なら新米の世話はベテランがやるべきだろうが、 「今の隊長なら十分世話できますって」 と半ば押し付けられてしまった。 本当は面倒なだけだろうが、自分が世話になっただけあってか文句が言いにくい。 朽ち果てつつあるビルの間を縫うように機体を歩かせる。移動音で気付かれる 恐れはあるが、ブースターで飛ばすよりかは幾分か音は少ないはずだろう。 時々新米の方を振り返りちゃんと着いて来ているか確認をする。 ・・・少なくてもバズーカの砲身が自分の背中を捕らえていないかを見る。 獲物を見つけた際に焦って発砲してしまう新米は少なくない。 実際私自身が焦って奇襲を台無しにしてしまった経緯もあるくらいだ。 怖いのは焦った新米が斜線を確認しないで発砲することである。 もし、彼女の獲物の矛先が私を捉えていた場合、まず撃墜されるのは敵でなく私になる。 恐る恐る後方を確認。・・・今のところは何とかやっているようだ。 崩れかけたビルを抜け、停止。 距離からして約500ほど先に装甲車2。砲塔は明後日の方向を向いている。 後方の僚機を振り返る。既に撃つ気満々で構えている。 「私が撃ったら左の奴を撃て」 一言だけすばやく通信を送り目標を捕捉・・・射撃 ほぼ同時に僚機も砲撃を開始、哀れな装甲車両は2両とも紙くずのように吹き飛ぶ。 「て、敵襲!!」 武装犯と思われる通信が混ざる、内容からして別働隊の方も始めたようだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 戦闘はほぼ一方的に終わりを告げつつあった。 ビルの間から狙撃された砲弾に気が付かず、おそらく死んだことも分からずに吹き飛んだ装甲車。 必死の思いで乱射したライフルが盾で容易に防がれ、青ざめながら吹き飛んだMT。 逃げようにも逆関節の悲しい性で足が遅く、逃げ切れなかったモア。 慌てて廃墟から飛び出し、足元にいた味方車両を踏み潰したMT。 新米とベテランが獲物を取り合って口論しかける一面すらあったぐらいだ。 全てが万事順調だった。 「レ、レイヴンはまだか・・・・うぁぁぁ!!」」 この一言を聞くまでは。 隊内にも動揺が走る。 スクータムは対ACをも想定された作りにはなっている。 自慢では無いが、消耗しきっていたレイヴンを撃破したこともある。 だが、根本的にMTはどう頑張ってもMT。準備万全なACにはかなうはずが無い。 楽勝ムードだった各員が一気に焦り始める。一般人ですらACの恐怖は知っているからだ。 制圧を完了して静まり返った廃墟の中で急遽本部へ連絡をする。 内容は勿論、レイヴンが出てくる前に撤退するためだ。 が、遅かった。 「レーダーに反応! 上からだ!!」 口数が少ない警戒手が叫ぶ、慌てて全機散開を命じる。 密集していると流れ弾も当たりやすいし、何よりも敵に取って狙いやすいからだ。 ACが降って来た。慌てて対空射撃を行う者もいたが、当たるほど相手は間抜けでは無い。 悠々と避けて距離300ほどの「目の前」に降り立った。 「・・・・何だこいつは」 その一言しか言えなかった。 先ほども述べたが、私はレイヴンに憧れていた。 試験に受かる前からパーツや機体性能に関しても勉強を進めていたぐらいだ。 そのお陰で機体を見て、「ああ、あれは○○か」「成る程、効率的な機体だ」とまで 評価することもできる。(素人の域ではあるが) だが、「そいつ」は明らかにおかしかった。 酔っ払いでもそんなアセンブリーはしないだろうというレベルだった。 まず、左手に武装が無い。 それくらいなら重量との兼ね合いが付かなかったのだろうと納得できる。 次に、肩武装がレーダー2つ。 基本的にレーダーは一つで十分と本で読んだ覚えがある。ならばこれは一体? ご丁寧にも左右対称のレーダーを装備している。 コアはクレスト製、手は・・・武器腕ではない。 次に・・・エクステンションも付いていない。 おそらくインサイドも空だろう。 こうなると、余程の軽量級か右手に重装備をつけていると考えるのが普通だが・・・・ 「おいおい?釘打ち機持っての登場か?」 「笑わせる・・・」 「馬鹿じゃないのか?」 部下達の失笑が耳に入る。 そう、唯一の装備である右手武装があろう事か「射突型ブレード」なのである。 この話を聞いている人間はコレがどういうものか了承していると考えるので 詳しい説明は抜きにするが、とてもじゃないがコレ一本で戦場に出てくるなんて 正気の沙汰とは思えなかった。 部下達に緊急で相手の獲物の説明を簡潔に行う。 敵ACは動かない。 ひょっとしたら武装の説明を傍受して律儀にも静聴しているのかも知れない。 または自分の愛用の武器を語られるのが少々嬉しいのかもしれない。 「ハハハ、射程0の武器に何ができるんですか?」 新米は笑って取り合わない。 「馬鹿にしてる・・・そんなもの回避は容易・・・」 警戒手も取り合おうとしない。 「釘打ち機がそんなに怖いですか??笑わせる!」 ベテランすらこの有様だ。 私も実際のところあまり脅威には感じていなかった。 一本の火薬式ブレードに何ができるという気持ちが主だった。 が、何故それだけなのかという疑問も残った。 「レイヴン、残念ながら君の依頼主はこの有様だ。大人しく引いてもらえないかね」 疑問が振り払えないので思い切って相手に撤退を勧告した。 戦わなくて済むのならそれが最善だ。意味の無い戦闘で死ぬのはキサラギの仕事だ。 「我々もこれより撤退する。お互いやりあう理由は既に・・・」 「隊長さんよ、こんな釘打ちマシーンに何ビビッてるのですか?」 ベテランがACの前に立ちはだかる。完全に舐めきっているようだ。 「さぁ! お前の釘打ちマシーンを俺にぶつけてみろ!!ハハハハ!!」 「・・・盾も貫通できないに10000コーム」 「私は貫通止まりに4000コーム」 部下は完全になめ切っていた。重装備MTに乗っているということよりも 相手の武装の貧弱さを見て完全に調子に乗っているようだ。 ACの方は何の動きも見せない。が、確実に頭に来ているのは見て取れそうだ。 ・・・・ここでふと思い出す。 射突型ブレードの威力はどれほどのものであったか? ・・・・・・・・・しまった 「よせ! そいつを刺激するな!!」 「・・・・後悔することになるぞ」 怒らせてしまった ACがオーバードブーストをかける。もう止められそうに無い。 「来い来い! この辺に釘打ってくれ!!!」 ベテランは挑発を止めない。他の2人も同様だ。 ACが迫る。 ベテランのスクータムは盾を構える。 ガション 短い作動音と共に空気が凍りついた。 ACとMTは動かない。互いの距離は0。 「・・・・・・・さん?」 「・・・・どうしたんだ?」 部下の2人は事態に気が付き始めたようだ。心配そうに呼びかける。 応答は無し。ノイズだけが耳に残る。 ACが動き始めた。 MTから射突型ブレードが「引き抜かれる」 ブレードはMTの盾のみならずコックピットをも貫通していた。 モニターからも「風穴」が見える。おそらくは即死だろう・・・ 突然の爆発音と同時に脚部を吹き飛ばされる。 事態を理解した新米が恐慌のあまり発砲。回避された砲弾が愛機の脚を吹き飛ばしたのだ。 たちまち警報で機内がやかましくなる。体勢が狂って射撃ができない。 唇を噛みながら事態を眺めるしかできなかった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 新米は完全に恐慌に陥っていた。 釘打ち機と馬鹿にしていた武器があっさりと信頼する上司を貫いたのだ。 意味不明な叫び声を上げながらACを狙う。外れた弾が隊長機に当たるが気が付かない。 「・・・・せ、脱出しろ、逃げろ・・・!」 隊長から何か通信が入っているが聞こえない。聞きたくない。 ACがこちらへ接近してきた。 こちらに狙いを定めたらしい。 先ほどと同じようにオーバードブースト全開だ。見る見る内に距離が縮まる。 唾と涙と呪いの言葉をわめき散らしながらバズーカを乱射する。 が、簡単に避けられる。照準すらまともにつけてないから当然ではあるが。 ACの右手が後ろに軽く引かれた。 ほぼ0距離。やけくその一発がコアに命中する。 心なしかACの動きが鈍ったように感じる。 しかし相手は止まらなかった。 右手が軽くスパーク、「何か」が飛び出す。 新米の目に映ったのは、頼りにしていた装甲をぶち破ってやって来た巨大な「釘」だった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 警戒手は後悔していた。 相手を舐めていたことやベテランを諌めなかった事ではない。 「ACにあったら即撤退する」という自己の信条を忘れていたことをだ。 新米の機体が爆発・四散する。 内心、「次は隊長が狙われてくれ」と思う。無論その間に逃げるためである。 いざとなったとき、人間は自分が可愛くなってしまうのも仕方がない。 別に隊長を嫌いなわけでは無かった。かと言って尊敬しているわけでも無かった。 ACが隊長機へ視線を写す。 今しかない。 ブースターを全開にして反転、全速力で離脱をかける。 こうなったらもう後ろは振り向かない。適当な廃墟で機体を捨てて逃げればいい。 が、彼の運命もそこまでだった。 突然の衝撃。 一斉に鳴り始める警報。 警戒手が事態を理解する前に「スクータム」は爆発した。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「よせ、脱出しろ!逃げろ・・・!」 叫んだ直後に新米の機体はベテラン曰く、「釘打ち機」に貫かれて爆発した。 そしてACがこちらに機体正面を向けた隙に逃げようとした卑怯な警戒手をOBで急追撃、あっさり貫いた。 再び辺りが静寂に戻る。 炎上する3機の爆発音のみ響く。 「・・・・・後悔することになったな」 ACパイロットから通信が入る。 「・・・・・部下の躾は上司の責任だろうに」 相手も複雑な心境なのか、声のトーンも少々不機嫌そうだ。 「それは失礼を・・・・」 嫌味を返そうにもショックでまともな返事も思いつかない。 「俺の依頼主はこの有様か。其方の言う通り、これ以上は無意味だな」 「修理代もこれ以上増やしたく無いし・・・撤退するとしよう」 今更・・・と言いたくもなるも、どちらが吹っかけた喧嘩なのかは明確だ。 「・・・・感謝する」 情けないが、今は引いてくれることに感謝するしかないだろう。 再びオーバードブースト。 視界からあっという間にACはいなくなってしまった。 たった数十秒で部下3人と3機・・・いや4機か、失ってしまった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 廃人と化した友人のほぼ最後の言葉「釘」というのは今思えばアレの事だったのだろう。 その存在を知らなかったばかりに4人もの人間が失われてしまったわけだ。 甚大な被害を受けた責任を取らされ、私はMT隊を首にされた。 今までに稼いだ資金のお陰で当面は一家を養うことは可能だろう。 私は今、再びレイヴンへ向けての勉強を始めている。 あのACと「射突型ブレード」に再び出会うために。 会って何をするかは何も考えていない。恨みもとくには無い。 だが、もう一度会ってみたい。いや会わなければいけない気がする。 −終わり― ACアセンコード「I046KXX00Ftym3mW03」