改訂2:2006年8月24日
改訂1:2006年5月12日
初版:2005年10月14日
トレーニングの目的・目標が決まったら 次はトレーニング計画を立てます。
計画を立てる目的は、「重要なレース・イベントの日に自分の調子がベストになるようにする」事です。無計画なトレーニングでは必ずしも重要イベントの日に自分の調子がピークになるとは限らず、投資した時間・労力に対する効果が薄くなります。
最終的には高負荷での運動能力を高める事を目指すのですが、いきなり高負荷トレーニングから始めても総合的には強くなれません。どんなレース・イベントでも最低限の持久力は必要であり、また高負荷に耐えられるだけのベースが無いと高負荷トレーニング自体の意味が薄くなります。最初は退屈でも有酸素持久力を高める事から始めて、徐々に負荷を増やしていく事をお勧めします。
ここでは、重要なレース・イベントの日に調子がベストになるように、トレーニングのレベルをを幾つかの段階に分けて組み立てる計画の立て方を紹介します。
STEP1 .来シーズンの年間出場予定レース(イベント)の日程を書き出す
来シーズン出場を予定しているイベントの開催日程を書き出してください。(日程が未定の場合は過去の開催日から推測します)
どのイベントが何月にあるのか、そしてそれは上旬なのか、中旬なのか、それとも下旬なのかを書き出します
表1

STEP2.最重要レース(イベント)を最大3つ程度選ぶ
日程を書き出したら、そのイベントが自分にとって重要なのかを考え、最も重要と思うイベントを最大3つ程度決めます(これによってトレーニング日程が変わります)
この最重要イベントをAイベントと呼びます。
表1を例に挙げると、最重要なレースを ”Aレース” して表2のように赤く塗っています。
表2

※ Aレースは4個以上は選択しないほうが良いです。あまり多く選択するとAレースと次のAレースの間の準備が十分取れなくなります。
但し、ひとつのAレースと次のAレースが連続した週にある場合はその2つのAレースをひとつのAレースとしてまとめます。
BレースはAレースの次に重要なレースとし、Aレースの前の調整用レースとします。 Cレースは結果にこだわらず、トレーニングのつもりで参戦するレースとします(表3)
表3
トレーニング計画は最重要イベント”A"に焦点を合わせて組み立てていきます
STEP3.Aレース(最重要レース)に合わせた 「週単位」 の段階割付を行う
表3のように来シーズンのレースの重要度分けが出来たら、Aレースに合わせた段階別トレーニングを組み立てます。
トレーニングを始める日から最初のAレースまでの期間を、表4のようにPREP(準備)、BASE(基礎)、BUILD(強化)、PEAK(ピーク)、RACE(レース)の5段階に分けます。
表4

BASEは有酸素運動持久力やペダルワーク等の基礎を強化する段階です。BASE段階も3つに分け、1→2→3に移行するに従って徐々に強度を上げていきます
BUILDは運動負荷が上がり、高負荷での筋肉持久力、耐乳酸性、無酸素領域での運動能力を強化する段階です
PEAKはイベント前の調整段階でやや強度を落とします
RACEは直前の体調維持期間で主に休養をとる段階です
表5に各トレーニング段階毎に必要な目安期間を示します。
表5
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トレーニング段階
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目 的
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期 間
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| ■ PREP(準備期間) | BASEトレーニングを始める前の馴らし期間 |
1-2週
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| ■ BASE(基礎) | 持久力(スタミナ)、筋力、高回転ペダルワーク |
8-12週
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| ■ BUILD(強化) | 筋持久力、パワー、耐乳酸、無酸素運動耐久力 |
6-10週
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| ■ PEAK(ピーク) | レース前の調整(コンディション維持) |
1-2週
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| ■ RACE(レース | レース直前の調整(休養と刺激) |
1週
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表5より、来シーズン最初のAレース(最重要レース)までにコンディションを作るためには5ヶ月から6ヶ月間の準備期間が必要になることが分かります。例えば、4月の大会までに準備を整える為には10月か11月にはトレーニングを開始する必要があります。
ご自分のトレーニング開始時期と重要な大会の日程を照らし合わせて各トレーニング段階毎の週単位での割付を行ってください。
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表6は、エクセルを使って週単位で、どの週はどの段階のトレーニングを行うかを例に示したものです この例では、シーズン最初の”A"イベントが5月1日の週として計画を立てています BASE1、BASE2、BASE3、BUILD1、BUILD2の区切りにリカバリ期間を1週間入れてありますが、これはオーバートレーニングを防ぐ目的と、出張などによって計画通りにこなせない場合のバッファーの目的があります。こうしておけば計画に自由度を持たせることが出来ます シーズン最初の”A"イベントと2番目、3番目の”A"イベントの間にもBASE(基礎ト)、BUILD(強化トレ)、PAEK(ピーク)、RACE(調整)のサイクルを組んで時間の割付を行います。もしその間隔が短ければBASEは飛ばしても構いません どのトレーニング段階にどのくらい時間を費やすかは、年齢、経験、強み・弱点、レースのタイプによって変わると思います。競技を始めたばかりの方はBASE段階に重点を置いたトレーニングの方が効果があると思います。 |
STEP4.各トレーニング段階毎の 「目標トレーニング時間(Hour)」を設定する
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グラフ1
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トレーニング開始から大会までの期間を週単位でトレーニング段階の割付を行った後は、各トレーニング段階毎の目標トレーニング時間をHour単位で決めます。 基本的にはグラフ1のような傾向になるようにします。BASE(基礎)トレーニング段階ではBASE1→BASE2→BASE3と段階が進むと共にトレーニング時間を増やします 一方BUILD(強化)トレーニング段階ではBUILD1→BUILD2に進むと共にトレーニング時間を減らします。BUILD段階のトレーニング負荷は大きいので、より負荷の高いBUILD2期間はトレーニング時間を相対的に少なくなるようにして、体が回復する時間を積極的に作るようにするのがポイントです PEAKやRACEのトレーニング段階ではトレーニング時間をかなり減らし、リカバリ(休養・回復)に努めます。厳しいトレーニングで疲れたままの体では良いパフォーマンスは期待出来ません。 表6に一例として1週間毎のトレーニング時間の計画を示します。お分かりのように同じトレーニング段階でも1週間毎にトレーニング時間の変化をつけてあり、各段階の最終週はトレーニング時間を減らしています。必要な時にトレーニング時間を減らすというのが大切です。 具体的に何時間のトレーニングを行うかは一人一人異なるのでここでは敢えて記述しません。表6の例は年間500時間のトレーニング計画に沿った時間割りとなっています。 |
参考図書: The Cyclist's Training Bible , Joe Friel ; The Lance Armstrong Performance Program, Armstrong & Carmichael